2010-01-01から1ヶ月間の記事一覧

「バブル」でなく「先取り」という見方

前回引用させていただいたガルブレイズ『バブルの物語――暴落の前に天才がいる』とベックマン『経済が崩壊するとき――その歴史から何を学び取れるか』という2冊の本に紹介されている歴史的事実は、まことにすさまじいばかりのドラマである。現在のわれわれか…

いわゆる「バブル経済」の歴史

資本主義の歴史は、市場の歴史でもある。そして、市場はしばしば暴走した。つまり、資本主義には絶えず市場の暴走がついてまわっていたのだ。 さて、ここに2冊の本がある。 1冊は、ジョン・K・ガルブレイズの『バブルの物語――暴落の前に天才がいる』(鈴…

ケインジアンの理論に対する懸念

新自由主義に取って代わられる前に主流の位置を占めていたのは、ケインズ経済学である。ケインジアンの理論は、1929年の恐慌を克服するためのニューディール政策に採用され、ごくおおまかに言うと、以後1960年代まで各国の経済・財政政策の主流の座…

新自由主義に対する批判について

世界的な金融崩壊を目の当たりにしたとき、いったいこれまでの経済学は何をしていたのか、という疑問が湧いてくる。2009年1月31日付け朝日新聞の「けいざいノート」欄の『金融危機が与えた宿題』というタイトルの論説は、同様の疑問を述べたうえで、…