2010-03-01から1ヶ月間の記事一覧

財政出動を要請する「先取り」の影響

前回「先取り」概念を道具としてサブプライムを例に挙げて分析したように、「先取り」された虚の価値、すなわち空っぽの価値は、金融市場や実体経済まで破壊してしまった。しかし、それだけで収まったわけではない。今度は、政府に財政出動を促すのである。 …

「先取り」概念によるサブプライムローンの分析

「先取り」は、あくまでも認識のための道具概念であって、私は、それ自体が真実であると主張しているのではない。しかし、「先取り」概念を使うと、事象を正確に認識し、分析することができる。そこで、米国で行われたサブプライムローンの問題とそれを引き…

「バブル」でなく「先取り」経済(5回中の5)

前回は、『先取り経済 先取り社会』に沿って、「先取り」理論の展開を途中まで書いたが、先に進めよう。 「二つの仮説」という章では、「先取り」の仮説を修正するとともに、もう1つ仮説(スタグフレーションの仮説)を立てたが、ここでは、「資本主義は終わ…

「バブル」でなく「先取り」経済(5回中の4)

前回紹介した『剰余価値の先取り体制に関する試論』には若さ故の気負いがあり、文章が生硬で、内容的にも少し手を入れたいところがあるが、それはともかくとして、私は、この仮説を体系化することを畢生の仕事としようという気持は持ち続けていた。 しかし、…

「バブル」でなく「先取り」経済(5回中の3)

前回に引き続いて、「先取り」という概念を思いついた経緯と「先取り」理論の内容を述べる。今回は、その3回目になる。 前回私は、1969年1月29日に行った金嬉老事件の意見陳述で初めて「先取り」理論を公表し、その意見陳述の一部に加筆して、196…